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CarbonSink
・Summary
カーボンシンク(Carbon sink)は、大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収する仕組みや活動のことをいい、二酸化炭素吸収源ともいわれています。
カーボンシンクは、環境保全に対して必要不可欠であり、自然を活用した取組みや人工的な技術を活用した取組みが挙げられます。
・自然を活用したカーボンシンク
森林: 森林は、陸上における最大の炭素吸収源の一つであり、光合成を通じてCO2を吸収します。例えば、カナダやロシアなど北部地域のボレアルフォレストは、地球上で最も大きな炭素吸収源であり、年間約700GtのCO2を吸収しています。また、ブラジル、コロンビア、ペルー等に広がるアマゾン熱帯雨林においても、毎年大量のCO2が吸収されています。
土壌: 土壌は、大気中や植物を合わせた量よりも多くのCO2を含んでおり、主に植物や微生物が分解された有機物から生成されます。不耕起栽培をはじめとした、有機肥料や堆肥を活用する再生可能農法は、土壌のCO2吸収能力を高めます。有機物を活用した農法は、従来の方法よりも多くのCO2を吸収、貯蔵できることが近年の研究でも示されています。
海洋: 海洋は、人間の活動によるCO2排出量の約30%を吸収し、世界最大の炭素吸収源です。オーストラリアに位置しているグレートバリアリーフのような広大な海洋生態系は、CO2の吸収に大きく貢献しています。海洋による炭素吸収量は年々増加しており、年間約20億トン以上と言われています。
・人工的な技術を活用したカーボンシンク
二酸化炭素回収・貯蔵(CCS): CCS技術は、発電所や工業施設などから排出されるCO2を大気中へ拡散される前に吸収し、地中深くに貯蓄する技術です。この技術は、産業上ゼロにすることができないCO2の排出を緩和するために重要視されています。世界各地でこのCCS技術が活用されていますが、稼働中または開発中の商業規模のCCS施設は約200か所と、まだまだ少ないのが現状です。
バイオマスエネルギーと二酸化炭素回収・貯蔵(BECCS): BECCS技術は、CCS技術とバイオマスエネルギーを組合わせた技術のことをいいます。 大気中のCO2を吸収した植物を燃焼させるバイオマス発電と、その燃焼によって発生するCO2を地中に貯留するCCSを組み合わせることで、大気中のCO2削減を実現します。BECCS技術はまだ発展途上ですが、CO2削減を達成するための有望な手段として大きく注目されています。
今後の課題として、自然や人工的な技術を含め、カーボンシンクのCO2吸収能力を高める必要性が挙げられます。そのためには、国際的な取組みや研究開発などを積極的に行うことが必要です。
CCSやBECCSを始めとする技術は、その有効性や実現可能性は向上していますが、さらなる革新が必要です。例えば、CO2吸収用の新しい材料である金属有機構造体(MOF)の研究は、この分野を革命的に変える可能性があります。CO2削減や森林・海洋保全を目的とした補助金などの政策が、カーボンシンクの発展と拡大を促進することが予想されます。そのため、各国が様々な政策を打出し計画しています。
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の「REDD+」は、森林減少・森林劣化が予想される途上国において、それを抑制するための活動を実施し、排出削減・吸収を達成すれば、その成果である排出削減量・吸収量が活動の貢献分として評価される仕組みです。
これらは森林保全を目的とした国際政策のひとつです。 2015年に署名されたパリ協定も、気候変動に対処するためのグローバルな協力の証です。
近年、化石燃料の燃焼や森林伐採のような人間の活動により、地球上の自然なカーボンシンクが吸収できる量よりも多くのCO2が大気に放出されており、これが地球温暖化や気候変動を引き起こしています。そして、その活動がカーボンシンクの劣化も引き起こしており、貯蓄されているCO2が再び大気に放出される危険性が増しています。
地球のカーボンシンクを保護し、長期的にCO2を吸収して貯蓄する能力を向上させるには、研究開発、政策、そして国際協力における戦略的な投資が鍵となります。
・Table of Content
引用
UNDP「The Climate Dictionary」
https://lnkd.in/dScftFMg
国土交通省
https://lnkd.in/e_cuuXVk
vector energy
https://lnkd.in/gRADhhDH
ベクターエコサービス
https://vecos.vector.co.jp
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